ラストワンマイルとは？：企業側の課題とデジタルによる解決策！

オンラインショッピングが一般的になり、消費者にとって送料無料や当日•翌日配送などのサービスを当たり前のことのようになりました。しかし、小売企業にとっては…

ラストワンマイル配送（商品が最終消費者に届くまでの最後の工程）はコスト面や効率面で大きな課題です。また、これは業界を超えた社会的課題にもなっています。ラストワンマイル配送の現状と問題点、そして自動化•テクノロジーを利用した解決策について紹介します。

ラストワンマイル配送の現状と問題点

ラストワンマイル配送は、物流コストの約3割を占めており、小売企業の利益を圧迫する要因になっています。消費者のニーズに応えるためには、迅速•正確な配送が必要ですが、人手不足などの要因で困難になっている企業も少なくありません。さらに、環境問題へ対応、CO2排出量や包装材料の削減なども配送業務に求められていることも課題です。

ラストワンマイル配送の課題を以下にまとめます。

高コスト：送料無料や即日•翌日配送などのサービスは、物流コストを増加させます。特に個別配送や再配達は非効率であり多大なコストが掛かっています。
低効率：人手不足や交通渋滞などは配送時間や品質が低下に影響します。
環境負荷：個別配送には多数の配送車両必要です。これらが排出するCO2や窒素酸化物などは大気汚染や温暖化の原因となります。また、個別配送に必要な包装材料も廃棄物として環境に影響を与えています。

ラストワンマイル配送の解決策

ラストワンマイル配送の課題を解決するためには、自動化や最適化が必要です。そのために有効な技術としては、最近注目されている「MFC」や「自動運転」などがあります。

MFCとは

MFCとは、マイクロ・フルフィルメント・センター（Micro-Fulfilment Center）の略で、小型の倉庫に設置される自動化された搬送システムのことです。MFCでは、注文を受けた商品をロボットなどが自動的にピッキング、梱包することで、迅速な発送をすることができるようになります。

MFCのメリットは以下の通りです。

コスト削減：MFCでは人件費を抑えることができます。効率良いシステム設計で倉庫面積の抑制も可能です。
効率向上：MFCでは自動化によりピッキング・梱包の速度を向上させることができます。また、一般的に人力の作業に比較してミスも低減できることが多くあります。在庫管理や需要予測と連動させデータ分析により最適化を推進できます。
環境貢献：MFCでは効率化を進めることで配送車両の数や走行距離を減らし、CO2排出量の削減につながります。。また、包装材料も最小限に抑えることができます。

MFCは、特に食品スーパーやドラッグストアなどの日用品販売に適しており導入事例が増えています。米国では、WalmartやKrogerなどの大手スーパーマーケットチェーンがMFCの導入を進めています²。日本でも、トライアルやヤオコーなどがMFCの実証実験を実施しています。

自動運転車両とは

自動運転車両とは、人間が運転操作をすることなく自動で走行できる車両です。自動運転車両は、カメラやレーダー、センサーで周囲の状況を認識し、AIや地図データなどの情報を基に制御され目的地までの移動を可能にします。

自動運転車両のメリットは以下の通りです。

コスト削減：自動運転車両では人件費や事故費用の抑制になりますり。また、一般的に人の運転よりもエコドライブであり燃料費も削減できます。
効率向上：自動運転車両では時間的制限もなく運用できます。またAIと組み合わせることでさらなる効率化•最適化が期待できます。
環境貢献：自動運転車両では省エネ性を高めることでCO2排出量を削減できます。また、電気自動車や水素自動車などのクリーンエネルギーを活用することもでき、環境への貢献が期待されています。