AIは、顧客の属性や購買履歴などからセグメント化(グループ分け)し、パーソナライズされた広告やクーポンを配信することができます。ファミリーマートでは「AIコンビニ」としてAIを活用した新しいコンビニエンスストアを…
構築しています。AIコンビニの概要とそのマーケティングについて紹介します。
AIコンビニとは
AIコンビニとは、人工知能（AI）を用いて、店舗運営や商品管理、顧客サービスなどを連携させ最適化するコンビニエンスストアのことです。ファミリーマートは、2022年から全国の店舗にAIコンビニの導入をスタートしました。AIコンビニでは、以下のような機能が運用されています。
- 顔認証：店舗入口やレジで高精度の顔認証システムを設置、これにより顧客の年齢や性別、来店頻度などを把握し、顧客に合わせた商品やサービスの提案を行います。
- 画像認識：店内、棚に設置されたカメラで商品の在庫や売れ行きをリアルタイムに把握し、品出しや発注、廃棄削減など効率化に活用されます。
- 自動決済：決済システムが顔認証システムなどと連携し、顧客はレジで商品をかざすだけで自動的に決済が完了します。これにより、顧客の待ち時間の削減や店員のレジ削減の軽減などが実現されます。
AIコンビニのマーケティングの効果
AIコンビニでは、顧客のデータを収集・分析し、パーソナライズされたマーケティングと販促を行うことができます。具体的には、以下のような運用、効果が想定されます。
- 売上向上：顧客個々のニーズや購買パターンに合わせて、おすすめ商品の紹介やクーポンの提供などをします。これにより、顧客満足度やリピート率が高まることが期待できます。
- コスト削減：AIによる予測をもとに、商品の在庫や売れ行きを最適化し、無駄な発注、廃棄などを減らします。これにより、在庫効率が上がり、また品出し作業も軽減され労働効率も上がります。
- ブランドイメージ向上：先端技術を用いた革新的なサービスを提供していることで、ブランド力や差別化が強化されます。
導入事例
日本におけるAIコンビニの導入事例を紹介します。- CATCH&GO: 国内最大級のウォークスルー店舗型無人店舗です。株式会社NTTデータと株式会社ダイエーが共同開発したもので、店内に配置されたAI搭載のカメラとセンサーが顧客の商品を手に取る動きをトラッキングします。商品を棚から取ったり、戻したりする動作も認識でき、それに基づいて自動で決済が行われます。選んだ商品は、そのまま持って出るだけで、レジやバーコードスキャンの必要はありません。CATCH&GOは、2021年9月に従業員向けにNTTデータ社内にオープンしました。さらに、2023年10月には横浜市内に一般客も利用できる店舗をオープンさせ、今後の展開拡大を検討しています。
- SECURE AI STORE LAB: 株式会社セキュアが開発した未来型無人化店舗です。AI技術を活用して、顧客の動きと商品選択を自動でトラッキングしています。顧客は顔認証を受け、ゲートを通って入店します。選んだ商品を持ったまま退店ゲートで顔認証決済による自動決済を行います。SECURE AI STORE LABは、2023年11月にNTT東日本グループのテルウェル東日本と、商用化実現に向け共同開発を進めることを発表しています。
- ローソン:利用客が手に取った商品をAIが判別し、そのまま退店できる会計いらずの無人決済店舗「Lawson Go」を開発しました。ローソンは、三菱食品本社（東京都）の社員専用店舗としてオープンしました。今後はオフィスやホテル内を中心に展開を狙っています。
- ファミリーマート: 同社の無人決済店舗は事前登録不要であることが特徴です。手に取った商品をAIが判別し、利用客がセルフレジで支払う仕組みの無人型店舗です。ファミリーマートは、2021年3月に第一号店をオープンし、その後、オフィスビルや病院、企業などの従業員休憩スペースなどへ出店•導入を進めており、2025年までに全国1,000店舗で展開する計画です。
まとめ
AIコンビニは、AIなどの先端技術を採用し、店舗運営や商品管理、顧客サービスなどを連携構築したコンビニエンスストアです。収集した顧客のデータを分析し、パーソナライズされたマーケティングと販促を行います。これにより、売上向上、コスト削減、ブランドイメージ向上などの効果が期待できます。AIコンビニは、次世代型コンビニエンスストアの必要条件になるでしょう。
