ビジネスにおいて、目標や成果を測定するためによく使われる用語にKPI、KGI、ROIがあります。しかし、これらの用語の意味や使い方を正しく理解している人は少ないのでは…
ないでしょうか。私も会議の場などで早口で言われると混乱する時があります。この記事では、KPI、KGI、ROIの定義と違い、そしてそれぞれの設定方法や活用例を紹介します。
KPIとは
KPI(Key Performance Indicator)
「キーパフォーマンスインジケーター」の略で、目標達成に向けて重要な業績や活動を数値化した指標のことです。KPIは、目標に対する進捗状況や効果を数値化し、改善点や問題点を発見するために用いられます。例えば、売上や利益だけでなく、顧客満足度やリピート率、離職率などと周辺状況もKPIとして設定できます。後述のKGIと同一の期間または短い期間(月間、週間、週末、単日など)で設定されることが多いです。KGIとは
KGI(Key Goal Indicator)
「キーゴールインジケーター」の略で、最終的に達成したい目標を数値化した指標のことで「ゴール」です。KGIは、ビジネスの成果や効果を評価するために用いられます。例えば、売上目標や利益目標、市場シェア目標などがKGIとして設定できます。
設定する期間は様々ですが中期(5年)、年間、半期、四半期など長めの期間で設定されることが多いです。
ROIとは
ROI(Return On Investment)
「リターンオンインベストメント」の略で、リターン=見返り、投資した資金に対する収益率や回収期間を表す指標のことです。ROIは、投資効果や収益性を分析するために用いられます。ROIは以下の式で計算できます。
例えば、広告費用が100万円で売上が150万円だった場合、ROIは以下のようになります。
この場合、投資した広告費用に対して50%の収益が得られたことになります。
事業、施策、投資の検証に使用される数値です。
KPIとKGIとROIの違い
KPIとKGIとROIは、それぞれ異なる目的や視点でビジネスを測定する指標です。以下にそれぞれの違いをまとめます。
- KPIは、目標達成に向けて重要な業績や活動を表す指標です。KPIはプロセスや手段に着目し、改善策や問題解決のために用いられます。「パフォーマンス=指標数値」
- KGIは、最終的に達成したい目標を表す指標です。KGIは結果や目的に着目し、成果や効果の評価のために用いられます。「ゴール=最終目標数値」
- ROIは、投資した資金に対する収益率や回収期間を表す指標です。ROIは投資効果や収益性に着目し、分析や判断のために用いられます。「リターン=見返り•報酬」
KPIとKGIとROIの設定方法と活用例
KPIとKGIとROIを使用する際には、以下のポイントに注意が必要です。
- KPIとKGIとROIは、それぞれの目的や視点に合わせて選択することが重要です。一般的には、KGIからKPIを導き出し、ROIで検証するという流れが推奨されます。
- KPIとKGIとROIは、定期的にモニタリングや評価を数値化し検証することが必要です。状況や環境の変化に応じて、指標の見直しや修正を行うことで、目標達成に近づくことができます。
以下に、KPIとKGIとROIの設定方法と活用例を示します。
例1:ECサイトの運営
- KGI:年間売上計画5億円、年間粗利計画1億円
- KPI:
- 月間アクセス数目標50万PV
- 月間コンバージョン率目標5%
- 月間平均購入単価目標3,000円
- ROI:広告費用対効果(広告費用に対する売上の割合)
例2:新規事業の立ち上げ
- KGI:事業開始から3年以内に黒字化
- KPI:
- 年間顧客獲得数目標1000人
- 年間顧客満足度目標80%
- 年間離脱率目標10%以下
- ROI:投資回収期間(投資コストを回収するまでの期間)
まとめ
KPI、KGI、ROIの定義と違い、そしてそれぞれの設定方法や活用例をまとめました。
KPI、KGI、ROIは、事業、施策の目標や成果を明確にし、進度•効果を測定するために重要な指標です。それぞれの目的や視点に合わせて適切な指標を設定し、定期的に評価、数値化を行うことで、ビジネスの成功に近づくことができます。