ソーシャルコマースにはいろいろな種類があります。その中で現在最も活用されているのは、自社のSNSアカウントを販売の場として活用する「SNS型」です。そのため「ソーシャルコマース」は「SNS型」を指す用語として…
使用されることもあります。
ソーシャルコマースのメリット
ソーシャルコマースのメリットにはどのようなことがあるでしょうか。
メリット1:開始•運営のハードルが低い
SNSアカウントは簡単にかつ基本的に無料で取得•開設できる点が大きなメリットです。ECサイトを開設よりもはるかに手間やコストをかけずにEC販売を始めることができます。
ただし今のところ日本ではSNSにはまだ決済機能が搭載できていません。そのため購入を完結するには、ECサイトを別に持ち組み合わせる必要があります。
こうした状況でSNSのメリットを活かすには、集客や販売はSNS、購買はECサイトと、機能を切り割り切るとよいかもしれません。低コストでECサイトを構築できるシンプルはプラットフォームもあります。ECサイトの機能やデザインを絞り込むことで、コストを抑えることができます。
メリット2:顧客の囲い込み•集客
SNSは、個人と個人、個人と企業がつながることが本来の機能です。商品の情報発信やセールスだけではなく、自社の世界観(ブランディング)やストーリーを発信することで、そこに共感を集め、フォロワーと直接交流できる点が企業にとってのSNSの大きなメリットです。
フォロワー=自社や商品のファンが増え、多くの人に商品やセールの情報を直接伝えられるようになると、SEOやリスティング広告に頼らなくても集客ができるようになります。独自性が確立できれば、競合他社との価格競争に巻き込まれることも減るでしょう。
ただし、自社のアカウントのフォロワーを獲得のは、簡単なことではありません。SNS広告やそのほかのマーケティングや、新規フォロワー獲得のための施策の構築と継続が必要です。
ソーシャルコマースの課題
ソーシャルコマースには課題もあります。次のような点に注意する必要があります。
課題1:売上につながるまでには時間がかかる
たしかにSNS上で商品を紹介したり購入したりできるようにすることで、口コミ効果やコンバージョン率を高めることができます。しかし、それはあくまで長期的な効果であり、短期的に売上を伸ばすことはなかなかできません。
SNS上でユーザーと信頼関係を築くには時間がかかります。定期的に適切な頻度で情報や魅力的なコンテンツを発信し続け、寄せられるコメントに対して丁寧に対応することも必要です。
課題2:一定のリソースが必要
前述のように、ECサイト構築のコストや手間を抑制できるメリットがありますが、SNS運用にも一定のリソースが必要になります。SNS運用には、以下のような作業があります。
- 商品(サービス)写真や動画の撮影•編集
- 商品(サービス)タグやショップページの編集
- 投稿内容やスケジュールの企画立案
- フォロワーとの密なコミュニケーション
- SNS広告や分析ツールの活用
これらを効率的に、継続的に行うためには、ある程度専門的なスキルが必要です。また、SNSのトレンドは常に変化しているため、最新情報を収集、アップデートすることが必要です。
SNS運用を効果的な施策とするには既存部署、既存業務の片手間ではできません。更新頻度が下がる、コメント対応が遅くなるなどの要因で効果が上がらないだけではなく、かえって企業イメージを低下させるリスクもあります。
自社内で担当者やチームを設けるか、社外のサービスや広告代理店に依頼するかといった対策が必要です。
まとめ
ソーシャルコマースは、SNS上で商品を紹介したり購入したりできるようにすることで、口コミ効果やコンバージョン率を高めることができる新しいECの形態です。
売上という数字に現れるまでには時間がかかることを理解し、継続的に持続性をもって取り組むことが重要です。