自動釣銭機導入とメリットと注意点:業務効率化とセキュリティ向上を目指す

小売企業の中には、自動釣銭機の導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。自動釣銭機とは、お客様から受け取った現金を自動で計算し、お釣りを出してくれる機器の

ことです。レジ業務の効率化やセキュリティの向上など、小売業にとって多くのメリットが見込めます。しかし、導入にはコストやトラブルなどのデメリットもあります。自動釣銭機のメリットとデメリット、導入にかかる価格や補助金、トラブル対策などを調べてみました。

自動釣銭機のメリット

自動釣銭機を導入することで、小売業にとって以下のようなメリットがあります。

レジ業務の効率化
自動釣銭機を導入すると、レジ業務にかかる時間を大幅に短縮できます。従来のレジでは、店員が現金の受け渡しやお釣りの計算などを行っていましたが、自動釣銭機ではこれらの作業が不要になります。そのため、お客様一人あたりの接客時間を減らすことができ、レジの待ち時間や混雑を解消できます。また、レジスタッフの負担も軽減でき、他の業務に充てることができます。
精算ミスの防止
正確な計算が可能になるため、精算ミスを防止できます。レジでのお釣りの間違いや、領収書の金額の誤りなどのトラブルを減らすことができます。また、現金の差額や売上の不一致などの精算の誤差もなくなります。そのため、レジの精算作業の時間や手間を削減できます。
閉店後処理の作業軽減
小売業では毎日閉店後、レジ締め前に売上額の確認とともに、レジ内の釣銭がデータと実際とに差異が生じていないか確認をします。差異が発生した場合は時間をかけて原因を究明することになります。自動釣銭機ではデータと実際との照合を自動で行うことができ、また差異が発生することもほとんどないためレジ締めの作業が大幅に軽減されます。また、営業中にも数回釣銭点検(レジ内の釣銭を数える)ことが一般的ですが、自動釣銭機では、これを自動で行えることからスタッフの作業軽減、レジ休止時間の短縮による顧客利便性の向上が見込まれます。
セキュリティの向上
自動釣銭機は、一般的なレジと比べて内部の現金を取り出すのに手間がかかるため、セキュリティが向上します。現金の盗難や紛失、内部不正などのリスクを減らすことができます。また、自動釣銭機には偽札検知機能や釣銭不足警告機能なども備わっているため、現金の管理が容易になります。
新人スタッフの即戦力化
自動釣銭機を導入すると、レジ業務における会計の手間を減らすことができるため、新人スタッフの教育や研修の時間を短縮できます。また、自動釣銭機は操作が簡単で、誰でもすぐに使えるようになります。そのため、新人スタッフを即戦力として活用できます。
衛生面の向上
自動釣銭機では、レジスタッフが現金に触れる機会を減らすことができるため、衛生面が向上します。特に、飲食店や医療機関などでは、現金による感染症のリスクを低減できます。また、コロナ禍で需要の高まった非接触型のサービスを提供できるため、お客様の安心感や信頼感を高めることができます。

自動釣銭機のデメリット

自動釣銭機を導入することで、小売業にとって以下のようなデメリットがあります。

導入コストの高さ
自動釣銭機を導入するには、機器の購入や設置、メンテナンスなどにかかるコストが高くなります。一般的に、自動釣銭機の価格は、約50万円から100万円程度です。また、自動釣銭機は、レジ台のスペースや電源の確保などの条件が必要になるため、店舗のレイアウトや設備にも影響あり、場合によってはレジ台の入れ替え、レジ周りのレイアウト変更が必要になる場合があります。そのため、導入には十分な予算と計画が必要になります。
トラブルの発生
機械的な故障や操作ミスなどによって、トラブルが発生する可能性があります。例えば、紙幣や硬貨の詰まりやお客様のお金の取り忘れなどのトラブルが考えられます。これらのトラブルは、レジの停止やお客様の不満などの影響を及ぼすため、迅速かつ適切な対応が必要になります。そのため、自動釣銭機の操作方法やトラブル対策をスタッフに十分に教育する必要があります。
人間味の低下
自動釣銭機のお店で、店員さんに直接支払おうとして「こっち」と無愛想に指差されてイラッとしたことはありませんか？本来、レジでの現金の受け渡しなどは、レジスタッフとお客様のコミュニケーションの一部であり、感謝や笑顔などの人間味を感じることができます。しかし、自動釣銭機では、これらのコミュニケーションがなくなるため、お客様にとっては冷たい印象を与えることがあります。そのため、自動釣銭機を導入する場合は、それまで以上にお客様に対して、挨拶や感謝の言葉、商品の説明やおすすめなどの付加価値を提供することが重要になります。

自動釣銭機の導入にかかる価格や補助金

自動釣銭機の導入にかかる価格は、機種や機能、メーカー、導入台数などによって異なりますが、一般的には、約50万円から100万円程度です。また、自動釣銭機の導入には、設置やメンテナンスなどの費用もかかります。そのため、導入には十分な予算と計画が必要になります。

しかし、自動釣銭機の導入には、補助金や助成金などの制度を利用することができます。例えば、以下のような制度があります。

※適用範囲や保持金額などは都度確認をお願いします

中小企業向けIT導入補助金
中小企業向けIT導入補助金とは、中小企業がIT機器やソフトウェアなどを導入する際に、その費用の一部を補助する制度です。自動釣銭機も、この制度の対象となります。補助金の上限額は、100万円で、補助率は2/3です。申請は、毎年4月から6月にかけて行われます。
中小企業の生産性向上特別措置法に基づく補助金
中小企業の生産性向上特別措置法に基づく補助金とは、中小企業が生産性向上に関する計画を策定し、その実施に必要な機器やソフトウェアなどを導入する際に、その費用の一部を補助する制度です。自動釣銭機も、この制度の対象となります。補助金の上限額は、500万円で、補助率は1/2です。申請は、毎年10月から12月にかけて行われます。
中小企業のデジタル化促進事業補助金
中小企業のデジタル化促進事業補助金とは、中小企業がデジタル技術を活用した事業改革や新規事業の創出を行う際に、その費用の一部を補助する制度です。自動釣銭機も、この制度の対象となります。補助金の上限額は、1000万円で、補助率は2/3です。申請は、毎年2月から3月にかけて行われます。

これらの制度を利用することで、自動釣銭機の導入コストを大幅に削減することができます。ただし、各制度には、申請条件や審査基準などがありますので、事前に確認しておくことが必要です。

自動釣銭機のトラブル対策

自動釣銭機を導入すると、機械的な故障や操作ミスなどによって、トラブルが発生する可能性があります。これらのトラブルは、レジの停止やお客様の不満などの影響を及ぼすため、迅速かつ適切な対応が必要になります。そのため、自動釣銭機のトラブル対策として、以下のようなことを行うことが必要です。

トラブル発生時の対応マニュアルの作成
自動釣銭機は、トラブルが発生した場合に、その原因や対処法を表示する機能があります。しかし、表示された内容が分かりにくい場合や、表示がない場合もあります。そのため、トラブル発生時の対応マニュアルを作成し、スタッフに配布することが必要です。マニュアルには、トラブルの種類や原因、対処法、連絡先などを記載し、レジの近くに常に置いておくことが必要です。
お客様への説明や謝罪
自動釣銭機がトラブルを起こした場合には、お客様に対して、その旨を説明し、謝罪することが必要です。お客様には、トラブルの原因や対処法、お待ちいただく時間などを分かりやすく伝えます。また、お客様には、不快な思いをさせたことに対して、心からの謝罪の言葉を述べます。その際には、丁寧な言葉遣いや表情、態度を心がけます。

まとめ

小売業で自動釣銭機を導入するメリットとデメリット、導入にかかる価格や補助金、トラブル対策などを調べました。自動釣銭機は、レジ業務の効率化やセキュリティの向上など、小売業にとって多くのメリットをもたらします。しかし、導入にはコストやトラブルなどのデメリットもあり、導入には十分な予算と計画が必要で、作業軽減による人員配置の効率化、人件費の削減額を含めて考えます。また、トラブルが発生した場合には、迅速かつ適切な対応が必要です。

自動釣銭機を適切に導入することで、小売業のサービスの質や収益性を向上させることができます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。