理想の店長像とは？｜リーダーシップのタイプ・種類

ひとくちに店長と言っても様々なタイプの店長がいます。私の会社にも、強力な統率力でまとめ上げる店長、数字に強く理論的に方向性を示す店長、従業員から

慕われ助けられている店長など、いろいろな店長がいます。

店舗などの組織において、売上達成・目標達成に導くためにリーダーシップは不可欠です。しかし、リーダーシップのスタイルは一つではなく、様々なタイプがあります。必ずしも強いリーダーである必要はありません。リーダーシップのスタイルは、リーダーの個性や店舗・組織の文化、チームのニーズによって異なります。適切なリーダーシップスタイルを選ぶことで、チームのパフォーマンスを最大化し、目標達成に向けて推進力を発揮することができます。代表的なリーダーシップの種類とその特徴についてまとめてみます。

リーダーシップの種類

リーダーシップの分類方法には様々な理論があります。羅列のような記述になってしまいますが、代表的なリーダーシップのタイプを挙げていきます。

PM理論に基づく4つのリーダーシップタイプ

PM理論は、リーダーシップを「P（パフォーマンス）」と「M（メンテナンス）」のバランスで考える理論です。組織の業績と職場環境の質を同時に追求することが求められます。

特徴: 業績とチームの士気を両立。
適用場面: 多様な価値観を持つ組織。
おすすめのリーダー: 従業員のニーズを理解し、バランスを取ることが得意な人。

PM理論は、リーダーシップを2つの主要な機能に分けて考えます。P機能（Performance function）は目標達成機能を指し、M機能（Maintenance function）は集団維持機能を指します。これらの機能の強弱により、リーダーシップのタイプを4つに分類します。

P機能（Performance function）

P機能は、目標を達成するための行動を指します。具体的には、目標設定、計画立案、進捗管理、指示・命令などが含まれます。P機能が強いリーダーは、チームの目標達成に向けて積極的に行動し、成果を上げることが得意です。

M機能（Maintenance function）

M機能は、チームや組織を維持・強化するための行動を指します。具体的には、メンバー間の調整、コミュニケーションの促進、メンバーのサポートなどが含まれます。M機能が強いリーダーは、チームの士気を高め、良好な人間関係を築くことが得意です。

PM理論リーダーシップの4つのタイプ

PM理論では、P機能とM機能の強弱により、リーダーシップを4つのタイプに分類します。

PM型: P機能とM機能の両方が強いリーダー。目標達成とチーム維持の両方に優れたバランスを持つ理想的なリーダーです。
Pm型: P機能が強く、M機能が弱いリーダー。目標達成には優れているが、チームの維持やメンバーのサポートが不足しがちです。
pM型: P機能が弱く、M機能が強いリーダー。チームの維持やメンバーのサポートには優れているが、目標達成にはやや力不足です。
pm型: P機能とM機能の両方が弱いリーダー。目標達成もチーム維持も苦手で、リーダーシップの発揮が難しいタイプです。

サーバント・リーダーシップ

サーバント・リーダーシップは、リーダーがチームや組織の奉仕者として振る舞うスタイルです。部下の成長と福祉・働きやすさを最優先に考えます。

特徴: 従業員の成長を支援。
適用場面: 自主性を重んじる環境。
おすすめのリーダー: 共感能力が高く、他者のニーズに敏感な人。

このリーダーシップスタイルは、アメリカのロバート・グリーンリーフによって1970年に提唱されました。「サーバント」は「召使い」「奉仕人」を意味し、リーダーがまず従業員に奉仕し、その後に導くという哲学に基づいています。これは、従来の支配型リーダーシップとは対照的であり、メンバーの成長と福祉・働きやすさを最優先に考えることが特徴です。

サーバントリーダーシップの10の特性

サーバントリーダーシップには、以下の10の特性があります。

傾聴: メンバーの意見や感情に耳を傾ける。
共感: メンバーの立場に立って理解しようとする。
癒やし: メンバーの心のケアを行う。
気づき: チームやメンバーの変化に敏感である。
説得: 権威ではなく対話を通じて納得させる。
概念化: 具体的な事象を抽象的に捉える能力。
先見力: 将来の出来事を予測し、準備する。
執事役: メンバーのニーズを優先する。
コミットメント: メンバーの成長に対する強い意志。
コミュニティ構築: チーム内外で強い絆を築く。

この手法は、強い信頼関係を築き、チームの士気を高める効果があります。しかし、リーダー自身の負担が増える可能性や、全ての環境に適応できるわけではないというデメリットも存在します。サーバントリーダーシップを効果的に活用するためには、リーダー自身のバランス感覚と、チームの特性を理解することが重要です。

フォロワーシップリーダーシップ

フォロワーシップリーダーシップは、リーダーシップとフォロワーシップの両方をバランスよく発揮することを目指す手法です。リーダーシップがビジョンや方向性を示し、フォロワーシップがそのビジョンを具体的な行動に落とし込むことで、組織全体の目標達成を支援します。近年、ビジネス環境の変化に伴い、リーダーシップだけでなくフォロワーシップの重要性も増しています。

特徴: フォロワーの能動的参加を促進。
適用場面: 変革や革新が求められる時。
おすすめのリーダー: フォロワーの意見を尊重し、協力を促す人。

フォロワーシップとは、リーダーを支援し、チームの成果を最大化するために自律的かつ主体的に行動することを指します。フォロワーシップは、リーダーの指示に従うだけでなく、リーダーの意思決定や行動に対して健全な批判や提言を行うことも含まれます。これにより、リーダーとフォロワーの間に強い信頼関係が築かれ、組織全体のパフォーマンスが向上します。

フォロワーシップの重要性は、ビジネス環境の変化に伴い増しています。リーダー一人の意思決定が必ずしも最適とは限らず、フォロワーの健全な批判や提言が組織の成功に不可欠です。また、フォロワーシップが発揮されることで、リーダーの負担が軽減され、より戦略的な意思決定に集中できるようになります。さらに、フォロワーシップはメンバーの自主性や創造性を促進し、組織全体のパフォーマンスを向上させます。