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コンビニのスイーツに秘められた戦略:セブンイレブン、ローソン、ファミマの比較

コンビニのスイーツは、品質や種類の向上に加えて、専門店とのコラボレーションやコト消費を刺激する商品など、多様な魅力を提供しています。コンビニのスイーツはどのようにして人気を

獲得しているのでしょうか?今回は、コンビニ各社のスイーツ戦略を見てみましょう。

コンビニスイーツの市場規模と成長要因

コンビニスイーツとは、コンビニエンスストア各社がオリジナルで開発、販売するデザート・スイーツ商品のことを指し、だんごなどの和菓子やバウムクーヘンなどの焼き菓子も含みます。今回は、市販のメーカー商品は除外して考えます。主要3社のコンビニエンスストア別ブランドは以下の通りです。

コンビニスイーツの市場規模は、2012年には1450億円だったのが、2015年には2370億円と約60%も増加しています。この市場の拡大には、以下のような要因が考えられます。

  • 高単価で高品質なスイーツと低価格で手軽に食べられるワンハンドタイプのスイーツの二極化が進み、幅広い消費者のニーズに応えている
  • コンビニの利便性を活かして、オフィスなどでも楽しめるスイーツや、差し入れ、手土産としても選ばれるスイーツが増えた
  • 専門店や有名店とのコラボによって、話題性や付加価値の高いスイーツが提供された
  • コト消費の高まりに対応して、季節やイベントに合わせた期間限定商品や、SNS映えする見た目を重視したスイーツが開発された

コンビニ各社のスイーツ戦略の特徴

コンビニスイーツの市場は競争が激化しており、各社は独自の戦略で差別化を図っています。主要3社のスイーツ戦略にはどのような特徴があるでしょうか。

セブンイレブン:品質と素材にこだわる王道スイーツ

セブンイレブンは、おいしさを第一に「上質」「王道」「素材重視」をキーワードとし、「価格以上の価値ある商品づくり」を行っています。特に素材に関しては、強いこだわりがあり、セブンイレブンの厳選素材とも呼ばれる北海道の生クリームを使ったホイップクリームと、バターを加えた濃厚なカスタードが挙げられます。また、カスタードクリームに使用する卵は、採卵から3日以内の新鮮な卵のみを液卵にして使い、値段以上の満足感を感じられる商品作りに徹しています。

また、全国に25個所もの専用工場を構えており、各メーカーやお取引先、物流企業などの垣根を越え、チームとして情報を共有しながら高品質なオリジナル商品を開発できることに加え、原料から一貫して管理をして、オリジナルの原料、レシピ、製造方法で差別化できるのもセブンイレブンの強みです。この強みを活かして生み出されたヒット商品が、2016年6月より発売された「ふわっとろくりぃむわらび」です。専用工場で一貫して製造を行うセブンイレブンだからこそ、和菓子と洋菓子の良いところを活かした人気商品である和洋折衷スイーツが作り出すことが可能となりました。

ローソン:専門店の味を目指すプレミアムスイーツ

ローソンは、「いつでもおウチがカフェになる」をコンセプトに今日1日のご褒美や手土産として、ゆっくり楽しんでもらえるよう専門店の味を目指し続けています。その言葉通り、2009年の販売以降2億5千万個以上の売り上げている「プレミアムロールケーキ」は、スポンジのふんわり感や、クリームのリッチなコクとなめらかな口どけが専門店にひけをとらない本格的な味わいが評判を呼ぶと同時に、ロールケーキをスプーンですくって食べる意外性から、コンビニスイーツの概念を刷新する商品へと成長させました。

このような大ヒット商品を生み出す裏側には、ローソンが行う地道な商品開発の取り組みがあります。ローソンは、自社の商品開発チームと、専門店や有名店とのコラボレーションを積極的に行っています。その中でも、特に注目されるのが、ローソンの商品開発チームが専門店の職人と一緒に商品を作り上げる「共同開発」です。共同開発では、専門店の味や技術をそのままコンビニに持ち込むのではなく、コンビニの環境や消費者のニーズに合わせて、一から商品を作り直すことで、より高い品質と満足度を実現しています。例えば、2018年に発売された「プレミアムシュークリーム」は、東京・銀座の老舗洋菓子店「銀座西村」の職人と共同開発した商品で、コンビニで販売するために、シュー生地の厚みやクリームの量などを調整し、専門店の味を再現しました。

ファミリーマート:若者向けのトレンドスイーツ

ファミリーマートは、若者を中心とした幅広い層に向けて、トレンドや話題性の高いスイーツを提供しています。そのために、SNSや口コミなどで人気のある商品や、テレビや雑誌などで紹介された商品を積極的に取り入れています。また、ファミリーマートは、他のコンビニと比べて、オリジナル商品の割合が高く、自社で企画・開発・製造・販売を行うことで、スピーディーに市場のニーズに応えることができます。その中でも、特に注目されるのが、ファミリーマートのオリジナルブランド「Sweets+(スイーツプラス)」です。Sweets+は、2017年に発足したブランドで、ファミリーマートのスイーツの中でも、特に高品質でおいしい商品を厳選しています。Sweets+の商品は、パッケージに「Sweets+」のロゴが入っており、見分けやすくなっています。

Sweets+の商品の中でも、特に人気が高いのが、2019年に発売された「Sweets+ チョコレートケーキ」です。この商品は、ファミリーマートが自社で開発したチョコレートを使用しており、濃厚でなめらかな味わいが特徴です。また、この商品は、テレビ番組「ヒルナンデス!」で紹介されたことで、話題になりました。この番組では、タレントの渡辺直美さんが、この商品を「コンビニのケーキとは思えないほどおいしい」と絶賛し、その後、SNSや口コミで広まり、売り切れ続出の人気商品となりました。

まとめ

コンビニのスイーツは、品質や種類の向上に加えて、専門店とのコラボレーションやコト消費(季節感・イベント感)を刺激する商品など、多様な魅力を提供しています。コンビニ各社は、それぞれに独自の戦略で差別化を図っており、セブンイレブンは品質と素材にこだわる王道スイーツ、ローソンは専門店の味を目指すプレミアムスイーツ、ファミリーマートは若者向けのトレンドスイーツという特徴があります。今後も、高い品質と、斬新なアイデアで、魅力的なスイーツが登場することに期待します。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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